東日本大震災以降、自転車の人気に火がついて通勤用などで10万、20万円クラスのロードバイクを使う人も出てきました。
人気に火がつくと怖いのは盗難でしょう。
そこでよく聞こえるのが、「室内保管をオススメ」する声です。
しかし、安易に室内保管をすべきでしょうか?
メリットばっかりに目が行ってしまいがちで、実はデメリットが多くてやらなかったほうがよかった…なんてことがあるかもしれません。
そこで、実際に室内保管を経験し現在は室内保管を辞めた私が書く「室内保管の苦労」をまとめました。
室内に自転車を保管するメリットを挙げていく
ネットで調べてみると、沢山メリットを書いているサイトがあったのでまとめてみました。
- 自転車を盗まれるリスクを室内なら下げられる
- 紫外線や雨風による部品や自転車本体の劣化スピードを緩める
- パンクや傷をつけられるなどのイタズラを防ぐ
- 気付いたときにパッとメンテナンスをすることができる
この4点で少々補足しておきたいのが1つ目と2つ目の内容についてです。
メリット①:盗難リスクを下げる
東日本大震災以降、自転車の需要は伸び更にコロナ渦や健康志向でスポーツサイクルを乗る人が増えました。
その結果、趣味として高級自転車を乗る人も増えました。
しかも、高いものだとフレームだけで100万を超えるものも有りますので、パーツごとに分解してしまえば元の所有者を特定するのもかなり難しいです。
いくら自転車に盗難・防犯対策をしたとしても完ぺきとは言えません。
その点、室内ならば空き巣に入られるという異常事態が起きない限り自転車の安全は確保されます。
これは外置きと比べた場合、圧倒的なメリットと言えます。
メリット②:劣化スピードを緩める
自転車に使われている素材として代表的なのは、”スチール”、”カーボン”、”アルミ”です。
これらの素材にはそれぞれ弱点があります。
素材 | 弱点 |
---|---|
スチール | 紫外線を浴びることで赤錆が発生 |
アルミ | 疲労限度が無いため金属疲労が蓄積 |
カーボン | カーボンを固める接着剤が紫外線で劣化 |
物体に対して継続的もしくは繰り返し荷重をかけた場合に、金属の強度が低下する現象
勿論、そう簡単に劣化しないように様々な技術が使われているがそれでも室外に置くのと室内に置くのでは上記の弱点にさらされる時間も頻度も少ないということはメリットと言えます。
メリット③:いたずらを防げる
思いっきり住んでいるところの治安に依存しますが、見た目からも分かる高級自転車はイタズラの対象になりやすい。
パンクさせられたり、傷をつけられたりと。
走行していて自然に傷ついたのなら、ある意味諦められますが故意的に傷つけられるのはやはり辛いです。
そういったリスクを室内保管なら防げます。
メリット④:すぐメンテ出来る
外置きしていると、一々外に取りに行きメンテナンスをしてまた戻す。
しかも、それを1日で完了させる必要があるため、時間とモチベーションとの勝負になります。
が、室内保管なら気になったときにパッとやれる環境があります。
自転車は定期的にメンテナンスをしなければ、怪我や故障の元になります。
ですが、メンテナンスはメンテナンスでめんどくさいものですので、パッとできるというのはわりと重要ですね。
辞めた理由とそれまでの苦労
私が、引っ越しして間もなく買った大きな買い物が自転車でした。
シングルスピードの自転車ですが、6万もしたので、買った当初は盗まれる不安もあって室内保管でした。
が、苦労することが多くて室内保管をやめました。
- ほぼ毎日使うため、出し入れでぶつけたりして部屋が傷つくのストレスがめんどくさい
- アパート1階に相当する場所が自転車置き場で紫外線や雨風を凌げる
- 使用頻度から減価償却を考えた場合、購入から3年近く経っているので諦められる
- 通勤で使うために、外置きせざるを得ないので盗まれるときは盗まれることに気づいた
これらの理由を踏まえて、私自身室内保管の何に苦労したのか?
それを書いていきます。
苦労①:壁にぶつける
まずは、こちらの画像をご覧ください。

そこまで大きくないけど、玄関付近の壁にぶつけてしまったことで、壁紙を超えて石膏ボードまでダメージを与えた写真です。
帰宅して部屋に自転車を入れたときにぶつけたんです。
これを見てお分かりかと思いますが、壁にぶつけることは私自身まぁまぁ有りました。
何故かっていうと、どうしても注意が散漫になっちゃってペダルとかをぶつけちゃうんです。
それが木材とかの部分ならまだしも石膏ボードと壁紙のところでやると写真の通り。
意外に破壊力あるんですよ、自転車って。
苦労②:床を傷つける
ちょっと写真だと分かりづらいかもしれませんが、赤枠の畳部分を触ると、分かる程度に畳が凹んでいます。

床を傷つけるのは、なにも畳に限ったことではありません。
クッションフロアだと、縦置きスタンドをただ置いただけなのに1週間もすれば接地面に凹みが出来ます。
そこに自転車なんて載せた日には半日と持たずに跡がつくのでは?と戦々恐々しています。
重みで床を傷つけるのもそうですが、自転車ってみて分かる通り結構パーツやら突起物がむき出しになっていることが多いので、室内で倒すと床にソッコーで傷つけます。
そういう意味でも、室内に置くのはわりとリスクがあると言わざるを得ないかと。
苦労③:部屋が汚れる
室内に入れる際に、汚れ防止として玄関でタイヤを拭くわけですが、そもそも玄関及びその通路は人一人が通れるぐらいのサイズしか無いので、そもそもタイヤを拭くのが大変です。
なんですけど、汚れってタイヤだけじゃなくてペダル部分やチェーン、ギアなどいたるところにあるわけで、それを完璧にすることは出来ないないので結果的にこうなるわけ。
これ以上に困ったのが、雨でぬれてしまった自転車です。
そのままでは、錆びの原因になりますので拭くわけですが、玄関先で拭くにしても狭いしやりづらい、だが完全に拭き切れるわけじゃないので室内に運び入れるのもちょっと躊躇いがち…。
んじゃどうするか?答えはこうです。
↓↓
こうなると、トイレに行くのも大変だし拭くのも大変、部屋に入れても汚れるので面倒くさい。
ということで、部屋が汚れるっていうのは予想外でした。
苦労④:家出る時に焦る
精神的に一番きつかったのはコレ。
平日の朝ってわりとドタバタしていることが多いんですよ、やることも多いし。
- 起床して間もなく
- お弁当を作りつつ
- 朝ごはんを食べて
- シャワーを浴び終わったら
- 着替えをしつつ
- ゴミ捨ての準備!
- 自転車を通路に出して
- 自宅を出発!!
こんだけやりつつ、自転車の出すいう面倒くさいかつ狭い玄関口でやらなきゃいけないので朝は戦争です。
で、焦ってるとやりがちなのが「鍵のかけ忘れ不安」です。
ドタバタしているんで注意散漫状態で家を出てしまったことで、不安になり戻ったり、仕事中不安になることも…。
これでは、仕事に集中できない上に、時間も精神もエネルギーも使うことになります。
苦労⑤:住人に対しての配慮
集合住宅なんだから住人の方と会う事なんて当たり前です。
が、そもそも集合住宅の通路や階段などは人とすれ違うことは考慮されてても、自転車と人がワンセットであることは想定していません。
すると、必然的に怪我の危険性や通路や階段での移動などに配慮しなければなりません。
例えば
- 階段の途中だと、すれ違えないのでどちらかが通路まで戻らなければならない
- 通路だとギリギリすれ違えるが、玄関とも隣接しているので開けた拍子にドアとぶつかる
- 玄関から自転車を出したところで住人にぶつかる可能性もある
お互い気持ちよく生活していくためにも、室内保管をしている自転車を取りだして路上にもっていくまでの間、配慮しなければなりませんのでこれも苦労しました…。
まとめ
これまでの内容を振り返ります。
- 盗難・イタズラのリスクを最小限に抑えられる
- 自転車の劣化を緩やかにすることが可能である
- メンテナンスに取り掛かる難易度がEASYになる
- 壁や床を傷つけることがある
- 部屋が汚れる可能性
- 家から自転車をもって出る時に住民とぶつかるかもしれない
- 上記を含めて精神的なストレスが多分に掛かる
どうでしょう?
メリットはよく聞きますが、室内保管することによって発生するデメリットはあまり見かけなかったと思います。
実際、私も実行してみるまではそうでもないのかなと思いましたが、自転車を日常的に使うケースだと精神的な負担が大きいので室内保管する良さが割と消えてしまっていました。
が、私の場合はその中でも若干特殊かなと思います…朝、めっちゃ忙しいんで。
なんで、趣味として自転車や時間に余裕を持って行動できるなど、余裕があるのであれば室内保管も有りと判断します。
いずれの場合でも、自転車がご自身に対してどのような立ち位置なのか十分見定める必要がありますね。
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